みなさま

こんにちは。

第100代内閣総理大臣に就任が決まった岸田文雄氏ですが、「金融所得課税」の見直しを提唱し、話題になっています。

余談ですが、長期信用銀行(現 新生銀行)出身者では初の内閣総理大臣。

経済評論家の上念司氏や大学生の時から著書を複数愛読させてもらってます田淵直也先生など、金融や経済の分野でご活躍されている方は多いですが、政治家は大変珍しいです。


本題に戻ります。

そもそも岸田氏は、当初はプライマリーバランスの黒字化を公約に上げていました。
チームワークを重視するなどバランス型ではあるようですが、このように財務省よりの政策もちらほらと見え隠れしています。

衆議院選挙が控えているということもあり、プライマリーバランスの黒字化は先送り、10年間は消費税増税しないというのが現時点の見解ですが、景気回復を待たずして消費税増税を行う可能性は十分あります。

この金融所得税の見直しも財務省のアイディアである可能性が高く、このタイミングで話題に上げたのも、富裕層から税金を徴収したい(国民からの批判が出にくい、賛同を得やすい)ということが読み取れます。

さて、ここで金融所得税が不動産市場にどう影響を与えるかということですが、これまで20%程度で済んだ株式譲渡税率が最大55%まで上がることを考えれば、株以外の投資に対象が移るのも当然かと思います。

個人の場合、不動産譲渡税は長期(20.315%)の場合株式譲渡と同じ税率で低く抑えられており、流動性の問題はあるにせよ、不動産をポートフォリオの一つに組み込もうと考える投資家は増えると予想します。

しかし、億トレーダーと言われるようなプロの株式投資家は、個人ではなく法人で株式を運用している人がほとんどで、実はこの層にはあまり影響がありません。

個人だと損失の繰り越しが3年までしかできないとか、経費で落とせない項目も多いため法人化している人が多いのです。

実際に不動産購入に向かうのは資産家、キャッシュリッチな企業の社長などでしょう。

これまでS&P500やインデックスに投資してきた富裕層が「株を持っていても税金で持ってかれるから」という理由だけで、不動産を購入し始めると思います。

相続税の税制改正の時もそうでしたが、税金対策で不動産を購入する方が増えました。

不動産を購入する時にきちんとした投資分析を行わず、「融資がつくから」「税率が低いから」という理由だけで見境なく物件を購入する人たちが数多くいました。

皆さん「税金対策」という言葉に弱いです。

結果として、不動産を購入することで損をする人も中にはでてくるわけですが、ブームに火がつくとなかなか収まりません。

勢いで買ってしまう人がいる限り、マスコミも煽りますし、歴史は繰り返されるのだと思います。